「ハンドキャリー」で仕入れた商品はECで販売できる?通関のルールと注意点
海外出張や旅行のついでに、現地の魅力的な商品を買い付け、スーツケースで持ち帰る「ハンドキャリー」。手軽でスピーディーなため、「これを自社のECサイトで販売できないか?」と考えたことのある事業者様もいらっしゃるかもしれません。しかし、このハンドキャリーでの商品仕入れには、通関における重要なルールと、知らずにいると大きなトラブルに発展しかねない落とし穴が存在します。
今回は、ハンドキャリー品の通関ルールと、EC事業者が安定したビジネスを築く上でなぜ正規の国際輸送を利用すべきなのか、その理由を詳しく解説します。
大前提:「個人のお土産」と「販売用の商品」は全くの別物
まず最も重要な原則は、旅行者の免税範囲(一般的に海外市価で20万円まで)は、あくまで「個人的に使用するもの」にのみ適用されるという点です。 友人へのお土産や自分で使う目的で持ち込む物と、日本国内で販売する目的で持ち込む「商品(貨物)」とでは、通関における扱いが全く異なります。 販売目的であることを隠して免税で持ち込もうとすれば、それは密輸行為となり、関税法違反で厳しい罰則の対象となります。
ハンドキャリー商品を「商品」として通関させるには?
では、ハンドキャリーした商品をECサイトで販売するためには、どうすればよいのでしょうか。 その場合は、飛行機を降りた後、税関検査場で「緑のランプ(免税)」のカウンターではなく、「赤のランプ(課税)」のカウンターへ進み、以下のような正式な輸入通関手続きを行う必要があります。
1. 口頭または書面での申告:税関職員に、持ち込んだ品物が「販売用である」ことを明確に告げます。商品の内容や価格によっては、「輸入(納税)申告書」の提出を求められます。
2. インボイス(仕入書)の提示:購入した際のレシートや請求書など、価格を証明する書類を提示します。
3. 関税・消費税の納税:税関職員が商品の種類と価格に基づいて税額を計算します。その場で算出された関税および消費税を現金で納付する必要があります。
4. その他法令の確認:商品によっては、関税法以外の法律(食品衛生法、医薬品医療機器等法など)の許可・承認が必要な場合があります。これらの許可なくして輸入することはできません。 この手続きを経て、初めてその商品は「正規に輸入された商品」として、国内で販売することが可能になります。
EC事業者がハンドキャリーに頼るべきではない3つの理由
上記の通り、正規の手続きを踏めばハンドキャリー品を販売することは可能です。しかし、安定したECビジネスの仕入れ手段として、ハンドキャリーは以下の大きなデメリットを抱えています。
1. 非効率で割高な輸送手段 一度に運べる量はスーツケースに入る分だけ。航空券代や手間を考えると、商品1点あたりの輸送コストは、通常の国際輸送に比べてはるかに割高になります。
2. 供給が不安定で機会損失を招く 「担当者が出張に行くときしか仕入れられない」という状況では、計画的な在庫管理は不可能です。商品が人気になり、いざ追加発注したくてもすぐに対応できず、大きな販売機会の損失に繋がります。
3. ビジネスとしての信頼性・拡張性の欠如 ビジネスが成長し、取扱量が増えてきたときに、ハンドキャリーでは到底対応できません。事業の拡張性がない、場当たり的な仕入れ方法と言えます。
安定したビジネスは、安定した物流から
手軽に見えるハンドキャリーですが、ECビジネスの根幹を支える仕入れ方法としては、あまりにも非効率で不安定です。
私たちJK-LOGISTICSは、ECビジネスに最適な、安定的でコストパフォーマンスの高い国際物流ソリューションをご提供します。 面倒で複雑な通関手続きはもちろん、現地の出荷人とのやり取りから、日本到着後の保管・管理、そしてお客様への日々の出荷まで、365日止まらない体制で、お客様のビジネスをワンストップでサポート。
お客様は、仕入れや物流の心配から解放され、商品企画やマーケティングといった本来のコア業務に集中していただけます。
「そろそろ本格的な輸入を始めたい」「物流の体制を整えてビジネスを拡大したい」 そのようにお考えなら、ぜひ一度、私たちJK-LOGISTICSにご相談ください。お客様のビジネスステージに合わせた、最適な物流プランをご提案します。
コメント